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徳格印経院とは

徳格印経院 、チベット語でデルゲ・バルカン(DegeParhang)とは、中国四川省甘孜の最西端、チベット族自治州の徳格県北西部金沙江支流の峡谷、海抜4000mの場所に位置し、成都側から訪れる際は、かつてチベット軍と中国軍が激しい戦闘を行った海抜6000mの雀儿山を越え、曲がりくねった未舗装の、今にも崩れそうな崖道をひたすら突き進んで行った先にあります。

雀儿山と全景

1729年に創建された徳格印経院では、非常に優れた技術の木版印刷(デルゲ版)が行われ、インドから伝えられた仏教をチベット語、サンスクリット語、ヒンドゥー語の三つの言語の経典で残し、また仏教経典のみならず、医学や歴史、科学技術、伝記などその内容は広範で、印刷技術や装丁も巧みなことから、「木版印刷の生きた化石」と呼ばれているそうです。

木版が保存されている倉庫

彫刻家は、代々その技術が受け継がれてきたチベット族で、早朝の瞑想の後、老若男女入り混じってこの伝承の技を木に刻んでいきます。一枚の絵の木版(デルゲ版)ができるために、最低でも10日の歳月を要します。彫刻家の名前はタンカ(仏画)と同じように決してそこへ刻まれることはありませんが、この伝承の技は昔から現代まで、そして未来へと受け継がれていきます。

彫刻の様子

木版(デルゲ版)

印刷は二人一組で向かい合って座り、高い位置に座った者が木版(デルゲ版)を持って色を付け、低い位置に座った者が紙を当てて上からこすります。吸水性が良く墨がにじまない良質の紙と、色が褪せることのない墨など、代々チベット族で伝えられたままの技法と材料で行われます。

デルゲ版印刷をしているところ

現在全国文化保護財として取り扱われ、また世界文化遺産登録を目指している徳格印経院、デルゲ・バルカンは、中国のみならず世界各国から観光客が訪れるようになりました。どれほど観光地化が進んだとしても、収蔵されている経典や仏画は歴史上貴重な文献であることに間違いはなく、またデルゲ版の木版印刷技術も絶えることなく未来へと伝承されており、一見の価値は十分にあるものです。

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koko

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